所在地/むつみ村大字片俣
 むつみ村片俣地区に伝わる腰輪を使った踊りを称する。いつの頃から始まったかは不明であるが「奥阿武宰判風土注進案」の片俣村の部に、『寛文三年(1663年)の大旱魃(ひでり)のとき、延宝年中(1673〜80年)の牛の病が流行したとき、亨保三年(1718年)八月・亨保八年五月・亨保十二年六月の大旱魃のとき、小国の金淵山竜神社へ念佛踊を奉納したところ、霊験直ちに顕わるとあり、中小国の多覚山八幡宮の頂にも、往古念佛踊を毎年執行』とある。

 この念佛踊は、新発意一名、鶏二名、中踊四名、庭挙一名、外輪踊十二名、棒遣二名、奉行一名計二十三名で踊る。


奉行は統帥の役を勤め、庭誉めは円の中央に出て祝いの辞をのべる。


棒使いは、五尺の棒踊りをしながら行列の警護の役目をする。
新発意は、墨などで顔をおもしろくつくり、大きい軍扇をもって諸動作の指揮命令をする。

道開きは、太鼓を打ち鳴らしながら先頭につき行列を導く。


 昭和四十三年、明治百年記念行事として復活しましたが、その後途絶えておりました。西暦二千年を記念して、郷土の無形文化財として復活し、保存継承していくこととなりました。

 復活にあたっては、「防長風土注進案21奥阿武宰判」の文献及び古老の記録等に基づき、経験者の協力を得ながら復元しました。
 
 この踊りは、往古より家によって役柄を継承しておりましたが、現在は、保存会の協議により役柄を務めることにしております。